2021/06/25 雨降る中に

梅雨に咲く花の代表的なものとして紫陽花があります。

紫陽花には数字にまつわる別名がたくさんあります。多彩に色が変化することから「七変化」「八仙花」、四枚の花弁を指す「四葩」という季語もあります。

花びらに見える部分は、花弁状に発達した萼で、本来の花は萼に埋もれて咲いています。そして、花や萼の色は土壌の酸度によって変わり、土壌が酸性なら青色、中性からアルカリ性であれば薄紅やピンクになるのです。

この花は奈良時代に編纂された最古の和歌集『万葉集』に詠まれるほど、日本に古くから存在しますが、当時は「味狭藍」という字が当てられていました。「紫陽花」という表記が生まれたのは平安時代だといわれます。

紫陽花は英語で「ハイドランジア」といい、ギリシヤ語では「水の器」という意味を持ちます。その名の通り、紫陽花は水がよく似合う植物です。

曇りや雨の日が続いても、雨で一層輝きを増す紫陽花のように、寛容な心で梅雨を受け入れ、いきいきと過ごしたいものです。

今日の心がけ◆季節の花を愛でましょう