2021/01/27 走りと名残

日本の和食文化では、食材が一番おいしい時期を「旬」といいます。

旬よりも早く出回ったものを「走り」、旬が過ぎたものを「名残」と名づけて、季節の移ろいを感じてきました。

旬の食材は、体に必要な物を与えてくれるといわれます。例えば、冬が旬の野菜には体を温める成分が多く含まれ、夏野菜には体に蓄積された熱をクールダウンしてくれる栄養素が豊富に含まれます。

江戸時代から、初がつお、初きのこ、初なすといわれるように、「走り」にあたる食材は人気を呼び、高値で取引されています。

旬を過ぎた「名残」の料理は、去り行く季節を惜しみつつ、来年も出会えることを願い、感謝して食しました。

日本の和食は、平成二十五年より「日本人の伝統的な食文化」として、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。世界的にも誇れる和食文化を後世に受け継いでいきたいものです。


今日の心がけ◆和食の文化を後世に伝えましょう