2021/01/13 「伝わる」ということ

日常生活において、人に伝えるという場面は多々あるものです。

繊維業を営むN氏が、スイス製の織機を購入する決断をした時のことです。「モノづくりは人づくり」との先代からの教えを受けて、若手社員を育てるため、スイスに派遣し、最先端の技術を習得させようと考えました。

しかし、外国語を話せないため、誰も名乗りをあげません。N氏は織機の効用と、会社の将来の展望を率直に伝えました。そして「君たちが、この織機の技術を習得することが、わが社の発展のための道なんだ」と熱く語ったのでした。

すると若手社員のほとんどが、スイスの工場へ行くことを希望したのです。その後、派遣された社員は、熟練した技術者となって後輩に技術を伝えています。

「伝える」とは、相手に自分の思いが届くことです。自分を飾らず率直に話すことで、相手の胸に響き、心を動かすことができるのです。

仕事や家庭で、《伝えたつもりなのに伝わっていない》と感じた時は、伝える側、つまり自分自身の心に目を向けてみるとよいでしょう。


今日の心がけ◆「伝わる」を意識して話をしましょう