2019/10/21 季節の色

中国では、昔から方角や季節を四つの色にたとえてきました。東西南北の守護神は、青龍・白虎・朱雀・玄武の四神です。日本では、七世紀末から八世紀初頭の高松塚古墳やキトラ古墳の壁画にすでに描かれています。

大相撲の土俵のつり屋根の四方に下がる房の色も青・朱・白・玄です。取り組みは神事として行なわれるため、房には魔除けの意味があります。

また、端午の節句の鯉のぼりの五色の吹き流しは、四つの色に黄の一色が加えられ魔除けの意味がこめられています。神社仏閣で使われる五色の旗や五色の幕、慶事で使われる五色の水引も同じです。

春夏秋冬の四季には、それぞれ青・朱・白・玄の四色があてられて、青春・朱夏・白秋・玄冬の言葉が生まれました。青春は馴染みのある言葉ですが、そのほかの季節にも色があるのです。

私たちが普段何気なく使っている色には、古代中国に端を発する長い歴史や伝統があるのです。


今日の心がけ◆歴史や伝統を知り生活を豊かにしましょう