2019/10/12 吸い殼に感謝

三十歳で念願の飲食店をオープンし、市内に五店舗を有していたA氏。

しかし、全国展開の大型レストランが進出したため、瞬く間に業績は悪化しました。一店舗に縮小したのち、多額の借金を抱えての再出発となったのです。

A氏はこのことによって、自身の至らなさに気づきました。順調な業績に有頂天になり、贅沢をし過ぎていたこと、従業員への配慮が足りなかったこと、店の管理を疎かにしていたこと、儲かって当たり前と思っていたことなどです。

こうした反省を踏まえ、A氏は早朝に、店舗の駐車場の清掃を始めました。すると、捨てられた吸い殼が目に留まりました。以前のA氏は、〈こんな所に捨てるなんて〉と腹を立て、従業員に命令口調で掃除を指示していたのです。

ところが今は、「捨てられた吸い殼の数だけ、お客様が來てくださったのだ」と逆に吸い殼が愛おしく思えるのです。A氏は毎日、駐車場の塵を拾い、率先して店の掃除も行ないました。

その後、従業員や顧客の信頼が回復し、店の経営は徐々によくなっています。


今日の心がけ◆順調な時ほど気を引き締めましょう