2019/10/06 杖を使う生活

人は年齢を重ねるにつれ、体の不調も多くなるものです。

五十代後半のIさんは膝の具合が悪く、医師に手術を勧められました。術後は、膝を曲げることが難しいために、杖を用いた生活が始まりました。

Iさんは〈杖があるから、歩くにはそれほど困らないだろう〉と思っていました。しかし、いざ生活をしてみると、階段を上がる大変さ、下りる時の怖さ、長時間に亘って歩く困難さを思い知りました。

Iさんは杖を使った生活をするうちに、〈自分はそのような人たちに対して、これまで温かい目を向けてきただろうか〉と、考えるようになりました。

「相手の立場に立って考える」とは、よく言われる言葉です。しかし、Iさんは、そのつもりになっていただけだったのです。

私たちもIさんのように、相手を思いやっているつもりに、陥っていることが多々あるかもしれません。街中で困っている人を見かけた際には、手を差し伸べるやさしさを持ち合わせたいものです。


今日の心がけ◆思いを行動に移しましょう