2019/09/04 虫の声

「虫時雨 銀河いよいよ 撓(たわ)んだり」。これは俳人・松本たかしの俳句です。様々な虫たちの鳴き声に呼応するように、星空が撓んできたという意味です。

秋になると、鈴虫やコオロギなどの虫たちが、求愛のために鳴き始めます。その声を聞くにつれ、〈秋が来た〉と感じる人も多いでしょう。

虫の声に風情や趣を感じるのは、日本人やポリネシア人などに見られる感性であることが、脳科学者の研究で明らかにされています。

また、外国で生まれた人であっても、日本語を母国語として育つと、日本人と同様の感性を持つことがわかりました。

この他の文化圏で生活している人々は、虫の声を聞いてもい〈虫が出している音〉と認識し、機械音や雑音と同じように感じてしまうというのです。

私たち日本人には、「虫の声」を認識できる感性があります。時には星空を見上げながら虫の声に耳を傾け、深まる秋の風情を感じてみてはいかがでしょうか。

今まで気づかなかったことに、出合えるかもしれません。


今日の心がけ◆生まれ持った感性を磨きましょう