2019/08/29 日本古来の歌

「君が代」は、明治二十六年八月十二日に、文部省が儀式唱歌として告示しました。「君が代」の元歌は、平安時代の勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう)『古今和歌集』に載る、詠み人知らずの和歌です。

「我が君は千代にやちよにさざれ石の巌となりて苔のむすまで」(巻七、三四三)。

この歌は、その後、藤原公任が編んだ『和漢朗詠集』に収められ、「我が君は」は「君が代は」と歌われるようになりました。

さらに、室町時代の謡曲「老松」では長寿を寿ぐ結びの曲として謡われたり、プッチーニのオペラ「蝶々夫人」では、「さくらさくら」などと共に、日本情緒を表わす代表的な曲として劇中で使われたりしています。

外国の国歌には、勇ましい歌もありますが、「君が代」の歌詞は長寿と平安を願うもので、その曲調は、荘重厳粛(そうちょうげんしゅく)な雅楽調です。

新しい令和の御代を迎えて、あらためて「君が代」の歌詞に込められた思いに目を向けてみてはいかがでしょうか。


今日の心がけ◆和歌に親しみましょう