2019/04/20 折り紙丸めて

Sさんが二歳の娘と病院へ出かけた時のことです。待ち合い室で順番を待っていると、娘が「折り紙で遊びたい」と言い出しました。

「順番が来るまでの間だよ」と約束をし、折り紙を渡しました。すると、娘が黄土色の折り紙をぐしゃぐしゃに丸め始めました。

Sさんには何を作っているのかわかりません。しばらく娘の姿を眺めていると、「父さん、鼻くそ」と、娘が大声でその折り紙を渡してきました。

周囲の人がクスクスと笑う中で、Sさんは恥ずかしくなり、「何で、そんなの作るの」と娘に強く言いました。娘は、どうして嫌がられたのかがわかりません。

数日後、この話を同僚にすると「二歳の娘さんなのだから、よくできたねと言ってあげれば良かったのに」と言われ〈たしかにそうだな〉と反省しました。

Sさんはその日、家に帰ると、娘に折り紙を渡して、「鼻くそ、作ってくれる?」と頼みました。娘は二コつと笑い、折り紙を丸め始めました。その姿を見て、〈自分の体裁より、自由な発想を受け止めよう〉と思ったのでした。


今日の心がけ◆まずは相手を受け止めましよう